寺山修司
P.20 十五歳
ある朝
ぼくは思った
ぼくに愛せないひとなんてあるだろうか
だが
ある朝
ぼくは思った
ぼくに愛せるひとなんているだろうか
ぼくの書きかけの詩のなかで
巣のひばりがとび立とうとしている
日は
いつも曇っているのに
P.108
種子
きみは
荒れはてた土地にでも
種子をまくことができるか?
きみは
花の咲かない故郷の渚にでも
種子をまくことができるか?
きみは
流れる水のなかにでも
種子をまくことができるか?
たとえ
世界の終わりが明日だとしても
種子をまくことができるか?
恋人よ
種子はわが愛